企業内不正及び不適切会計調査

中国国内の景気の後退にともない、過去の好業績が覆い隠していた問題が顕在化しています。昨今の中国子会社による不祥事は、景気後退局面で露呈した典型的な不正のケースと言えます。弊社では不正を小、中、大問題とその深刻度合によって分類し、不正の内容及び重要性によって調査を実施します。

不正調査 不正対策のための内部統制構築経理規定、業務マニュアルの整備 不正の予防、内部統制モニタリング

 

社内不正

弊社では不正を 「小」、「中」、「大」問題とその深刻度合によって分類し、不正の内容及び重要性によって調査を実施します。


・出張費、交際費などの不正精算(カラ出張、カラ接待)
・私的な通信費、交通費、飲食費などの不正精算

・裏金のプール
・購買担当者のリベート受領
・消耗品などの架空取引

・財務(出納)担当者の横領
・回収見込みのない顧客への販売、与信情況を無視した取引
・会社責任者(総経理あるいは購買責任者)と親族会社との不適切な取引

 

不適切会計

不適切会計の調査では中国特有の会計処理を踏まえ以下の問題に重点を絞り調査を実施します。

・卸資産の過大計上、製造費用の棚卸資産への不合理な配賦
・売掛金、手形、未収金などに対する貸倒引当金の過小計上
・発票発行(入手)主義に基づく会計処理
・期間費用の資産計上


小問題の代表的な不正は以下の項目が挙げられます。

●出張費、交際費などの不正精算(カラ出張、カラ接待)
●私的な通信費、交通費、飲食費などの不正精算

弊社では費用精算に関わる社内規定の内容を閲覧し、規定に基づき承認され、事実に基づき支出され、正しく経費処理されているかを資料の閲覧、インタビューなどを通じて確認します。費用支出の合理性を確認するために、発票の真実性チェック、ウェブサイト・電話などによる同種商品・支出の相場チェック、カラ出張、私的な飲食代の交際費請求などに対する当該日の行動確認などの手続きを実行します。会社の同意が得られる場合には社内メールのチェックを行います。
小問題の不正は、金額的には大きいものではなく、多くの部門で日常的に起こりうる不正です。
会社によっては、当事者が不正という意識さえ持ち合わせていないかもしれませんが、会社の雰囲気がそうさせていることも否めません。
出張規定や接待規定がない、あるいは規定があっても厳格に運用されていない会社ではこの種の小さな不正がはびこり、会社を蝕んでいきます。
弊社では、規定の整備、運用方法の見直し、費用精算承認責任者などへの研修等を通じて不正の抑止、再発防止の仕組み作りを提供します。

中問題の代表的な不正は以下の項目が挙げられます。

●裏金のプール
●購買担当者のリベート受領
●消耗品などの架空取引

中問題の不正は会社全体に生じうる普遍的な不正ではなく、特定の分野に限定して生じる行為なので、不正の内容によって調査方法をカスタマイズすることが一般的です。
裏金のプールは政府機関へのプレゼントなど表にできない支出を行う時の為に準備している資金であり、直接業務と関係のない発票などで精算を行うことで捻出します。会社として必要悪と考えている場合も多く、正規金庫の中を確認したり、総経理・財務部長にインタビューをすることで、裏金の存在、簿外口座の確認などが把握できることが多いといえます。
購買担当者のリベート受領は、中国で頻繁に起こり得る不正であり、商慣行的な一面も備えています。不正にはいくつかの兆候がみられ、発注から研修が短期間である、特定の取引先への短期間での大量発注、特定担当者による一時的な大量発注、同一仕入先への毎月固定額での発注、単価マスターと異なる金額での発注、見積金額と実際金額の大幅な差異、丸い数字での購入などがあります。相手先担当者が同じ職責に長く留まっていないか、支払先がマスター登録どおりであるか、複数に分かれて支出されていないか、 などの手続きを通じて、疑いのある取引を特定します。

消耗品の架空取引もよく発覚する社内不正の一つです。消耗品の在庫管理を会計上行なっておらず、入庫と同時に費用計上している会社では消耗品の流用、私的処分という不正が起こります。また、実際の入庫数が少ないものの、入庫記録を請求書(及び発票)に合わせ、差額を着服するという手口もあります。請求書、発票の発行先と支払先の一致確認など、注文書、入庫書類、支払金額、支払記録などを精査し不正を特定します。

弊社では防止策として、発見的統制環境の強化、具体的には取引先の選定で2社以上から相見積を取る、担当者を一時的に異動(または新人研修制度により他者を配置)させたり、休暇を取らせたり制度を設ける、ネットなどを利用し業界の取引価格から著しく逸脱していないかを確認するなど社内ルールの厳格運用を支援しております。
 

大問題の代表的な不正は以下の項目が挙げられます。

●財務(出納)担当者の横領
●回収見込みのない顧客への販売、与信情況を無視した取引
●会社責任者(総経理あるいは購買責任者)と親族会社との不適切な取引

大問題の不正調査は機密性及び迅速性を有することが多く、不正を行なった者に秘匿する必要があるため、弊社で特別監査、内部監査等の名目で調査を実施します。
特に資産流用に関わる不正調査では、不正、横領が行われた期間、取引を特定し、当該期間における支出(銀行振込、小切手振出、現金支払)を銀行取引明細、小切手台帳、現金台帳などを分析確認し不正に支出された金額を推定します。弊社は、中国における会社の支出形態を熟知しており、不正による会社の被害総額を必要十分なデータを収集し、確認することで算定することが可能です。

回収見込みのない顧客への販売、会社責任者と親族会社の不適切な取引の調査では、売掛金残高の急増、売上総利益の低下など各勘定科目を分析することでその兆候を確認することが可能です。弊社では先ず財務諸表全体の変化、個々の勘定科目、与信管理規定及び運用状況などを調査し、不正の兆候を特定します。

大問題の不正では会社の屋台骨を揺るがす不正となることが多く、弊社では社内規定、承認事項、内部統制を全面的に見直し、再発防止策の導入を支援しております。

 

不適切会計の特定及び検証

 意図的な不適切会計では、負債を過少計上、売上を過大計上、費用を過少計上するなどして財務諸表を実態よりもよく見せようとします。
弊社では中国での長年の経験に基づき不適切会計頻繁に用いられる手法、対象となる勘定科目を重点的に精査します。例えば、意図的な負債の過少計上の例としては、取引先に支払いあるいは発票の発行を遅らせるように依頼することで、買掛金を過少計上したり、与信枠を超えた販売や、支払期間の延長などによる売上の過大計上や、原材料の端材などの廃棄処分時期を先送りし、在庫の帳簿価格を実態よりも多く見せることで売上原価(製造原価)を過小計上し、売上総利益を過大計上したり、固定資産の修繕費において名目上「大修理あるいは固定資産の機能向上」が行われたとし、修繕費を資産化することで費用を繰り延べたりする手法が用いられます。
 弊社では不適切会計の特定及び検証を行なった後、適切な会計制度の導入、内部統制の強化など再発防止策としてご提案させていただいております。

 

事例紹介

財務担当者の会社資金横領(日系製造会社)
 財務担当者による資金流用が発覚し、被害総額及び流用経路の特定を依頼され、不正調査を実施しました。流用資金を特定するために、全ての銀行口座、支払伝票を精査し、流用方法を特定し被害総額を算定しました。また、調査結果を踏まえ、再発防止策として社内の内部統制の再構築、承認プロセスの刷新及び厳格のためのプロジェクトを実施しました。




経営者の親戚を経由した架空取引(日系貿易会社)
 中国人総経理による親族を経由した不正取引があるとの内部通報を受け、社内調査を実施しました。総経理は、得意先との取引の間に親族の経営する商社を中間業者として取引に参入させ会社が以前に得ていた粗利の一部を当該商社へ移転させていました。当該商社の投資者を調査した結果、総経理の妻の兄が設立した会社であり、実質的な商社業務を殆ど行なっておらず中間マージンを取得するためだけに設立した会社だと判明しました。


これまでの実績例

不正調査
◆ 日系メーカーK社~資金流用調査
◆ 日系商社~消耗品の架空取引調査
◆ 日系メーカーA社〜取引先への不適切なリベートの支払調査
◆ 日中合弁企業C社〜総経理への不正貸付調査
◆ 日系プラスチック成形B社〜消耗品の架空取引



不適切会計調査
◆ 日系金型メーカーD社~原価計算の調査
◆ 日系商社~売上計上基準の調査
◆ 日系商社~費用計上基準の適切性の調査
◆ 日系サービス会社~発票発行の適切性の調査