1.董事、監事、高級管理職の国内所得

 

(1)  暦年で累計90日を超えない高級管理職非居住者

日数按分をしないところが一般非居住者と異なる。

 

国内所得=国内支給、負担給与

 

(2)  暦年で累計90日以上183日未満中国に滞在する高級管理職非居住者

国外で支給負担する給与報酬について国外勤務日数の比率で国外所得を計算し、これを国内所得から除外する。

 

国内所得= [国内支給給与+国外支給給与]×[1-[国外支給給与]/[国内支給給与+国外支給給与]×[国外勤務日数]/[当月日数]]

 

日本居住者で中国滞在が暦年183日未満の降雨級管理職出張者は、日中租税条約の短期滞在者規定が適用されるので、上記計算式は「国内で支給負担する給与報酬についてのみ国内所得とする」と読み替える。

 

国内所得=国内支給、負担給与

 

 

(3)  暦年で累計183日以上滞在する高級管理職居住者

基本的に上記一般居住者と同じ。

 

前年までの勤務年数が連続6年を超えない場合

国外で支給負担する給与報酬について国外勤務日数の比率で国外所得を計算し、これを国内所得から除外する。

 

国内所得= [国内支給給与+国外支給給与]×[1-[国外支給給与]/[国内支給給与+国外支給給与]×[国外勤務日数]/[当月日数]]

 

前年までの勤務年数が連続6年を超える場合(7年目)

国内所得、国外所得全額をもって中国で申告納税する。国外所得については、外国税額控除が適用できるので、例えば日本で支払った税金の納税証明書を提出し、中国の課税額から控除することができる(中国の税率で計算された税額を控除限度額とする)。

 

(一)税額計算に関する個別規定

(1)  居住者の税額計算

一般居住者も高級管理職居住者も暦年で確定申告を行う。

会社負担の家賃、子女教育費、語学訓練費などの暫定優遇控除は2021年末までの3年間の経過期間においては所得から控除できる。

 

年総合課税所得額=(年給与/報酬等-基礎控除-特定/特定付加控除-暫定優遇控除)×年度適用税率-速算控除額

 

(2)  非居住者の税額計算

非居住者は確定申告を行わないので、月額ベースの税額計算表を適用して税額を計算、納税するのみである。

給与は、上記で確定した月次国内所得を月度適用税率表の税率に当てはめて税額を計算する。

賞与を受領した場合には、給与と合算せずに賞与単独で税額を計算する。ここでは、対象期間を6ヶ月と仮定し、賞与の国内所得として計算された金額を6で除し

基礎控除は考慮しない)適用税率を当てはめる。

 

賞与課税所得額=[賞与国内所得額]/6]×適用税率()-速算控除額()

 

当該賞与の課税計算は暦年で一度のみ適用することができ、賞与を二回受領する場合には、いずれかの賞与の国内所得として計算された金額は、そのままの金額をもって適用税率を当てはめて計算する。

 

(二)納税方法に関する個別規定

(1)  初年度の給与取扱い

派遣、出向契約に基づく予定滞在日数を基本として国内所得の範囲を確定し、適用される計算式をもって税額を計算する。

 

非居住者として月次納税計算を行い、居住者となった場合には、居住者となった後の月も非居住者の納税計算方法を継続し、確定申告においてその差額を計算し納税(或いは還付)する。当該居住者が帰国する場合には、帰国前に確定申告を行い、納税(還付)を行うこともできる。

 

居住者として納税を行っていたが、非居住者となることが明らかになった場合は、それが判明した日から年度終了後15日までの間に所轄税務局に届出を行い、非居住者の国内所得の範囲及び計算方法で算定した税額をもって追納(滞納金は計算しない)或いは還付を受ける。

 

90日または183日(租税協定締結国の場合)を超えない予定で納税申告していない個人が規定の滞在日数を超過した場合には、滞在日数が規定を超過した翌月の15日以内に税務局に申告し、当初からの滞在日数に応じた税金を計算し納税する(滞納金は計算しない)。

 

(2)  親会社からなど関連関係にある会社からの派遣者個人

国内法人が負担すべき給与を、国内法人と国外法人が関連関係にあるために、国外法人が一部或いは全部を支払っている場合においては、派遣者個人が申告納税するか、国内法人が源泉納税する。国内法人が源泉納税する場合には、毎月の所得を翌月15日以内に、当該個人の業務の状況、国外での給与支給状況および当該個人への連絡方法などの情報と併せて申告納税する。

 

当該規定は、例えば親会社から中国現地法人に短期派遣されて勤務するが、国内法人での給与負担がない派遣者個人(短期滞在者免税規定により中国での個人所得税の支払いを行わない個人)に対し、国内法人で負担すべき給与を推定して課税するための規定と思われる。目的としてはPE課税を受けた場合の、当該PEに帰属する出張者の個人所得税課税のための根拠ではないかと推察される。