会社清算時におけるタックス・クリアランスの手続簡素化

2018101日より施行の規定(税総発[2018]149号)に基づき、会社を清算する際に必要とされる、所轄税務局から発行されるタックス・クリアランスレターの交付手続が簡素化されました。これまで、会社清算で最も時間がかかる(一般に3か月から半年程度)税務局による過去年度の納税状況の確認と証明書の発行ですが、過去の納税状況が優良である企業(信用等級A級またはB級)であれば、即時処理されることとなりました。

信用等級A級は当局の設定する納税評価ポイントが90点以上、B級は70点以上90点未満の会社であり、過小納付や納付遅延、罰金などがなければ、多くの会社はA級またはB級の認定を受けているものと思われます。会社清算段階において税務調査を受けていないことも条件のひとつです。この条件を満たす会社の清算では、増値税発行システムの無効化、未発行発票の返還、清算時の納税申告など、為すべき手続を完了し、未完の手続がある場合には税務局に法定代表者と財務責任者の署名発行する「承諾書」を提出することで、税務当局はクリアランスレター(税金の完納証明)を発行します。この「承諾書」では、未完の手続を6か月以内の一定期限内に完了させることを約束し、納税者は合意された期限内に清算手続を完了しなければなりません。手続が期限内に未完の場合には、法定代表者と財務責任者の信用等級がD級とされ、当該個人の将来における業務に支障が生じることになるため、一定の牽制効果があります。

これまで、会社清算において税務局は過去3年程度の納税状況を調査し、過少申告がないかどうかを確認したうえでクリアランスレターを発行してきました。本通達が施行され、過年度の税務調査を行わずに会社清算手続が進むのであれば朗報ではありますが、当局の立場からすれば、万一過少納付の状況が発見された場合にどうするかを考えると、容易に簡便的な手続きを認めない事態も想定されます。あるいは、法定代表者または投資者を納税保証人とする実務対応も想定され、そうなると「承諾書」を発行するのも躊躇されるところです。今後の実務対応を注視していきましょう。